間伐はなぜ必要か?

森林の育成

 

 

「間伐」という言葉は既に知っていると思いますが、込みすぎた状態の森林を適正な状態にするために行う作業のことです。

 

 

樹木を健全に発育させていくためには欠かせないのですが、今回、このテーマが出てきたのは、間伐は人工林を守る上で欠かせないのに、しっかり行われていない実態があるからです。

 

 

実行されていない原因はいろいろありますが、経済的な問題が大きいのが現実です。林業の危機にもつながりかねない事なので、皆さんにも間伐について、しっかり理解をして頂きたいのです。

 

 

間伐未実施で放置されている森林は林内が暗く、下層植生が消失していまい、表土の流出も著しく、森林の水源かん養機能が低くなっています。木の幹が細長くなって、いわゆる「もやし状」のような森林となって、風雪にも弱い状態になります。

 

 

逆に、間伐が適切に実施されている森林は、林内に適度に光が射し込みます。下草などの下層植生も繁茂しているので、水源かん養機能や土砂流出防止機能が高くなります。幹も太く、生育が良くなるので、風や雪にも木は折れにくくなります。下層植生が豊かで、いろいろな生物の生息を維持できるようになります。

 

 

このように大きな差がでてきます。林野庁でも、森林の健全性を確保するために長伐期施業や複層林施業を実施するように推進に取り組んでいます。これは公益的機能を高める間伐等の推進ということでもあります。