間伐はなぜ必要か?



間伐作業

 

 

林業はかなりの人力を要求する仕事だということが前項の説明でわかったと思います。しかし間伐はここからなのです。苗木を植えて8~10年頃から間伐です。育ちの悪い木、枯れかかった木、育林木など、育てようとしている木の妨げになる広葉樹などを伐採していきます。

 

 

この除伐で伐採された木は、以前では薪などに利用されていたのですが、現在では利用価値がほとんどないものになっています。コレも課題です。

 

 

さて、樹冠が接している状態だと地上に光が届きません。従って、木の成長が遅くなり、年輪幅も均一になりません。しかし、適度に間伐を実行すれば、年輪幅も均一になりますし、健全な森林を維持することができます。間伐は、以後5年程度で実施され、その都度に10~25%の木が伐採されます。

 

 

10年~13年目くらいまでの間伐を「切り捨て間伐」と呼びます。除伐と同様に切った木材は捨てられるしかありません。ただし、15年あたりになると、間伐材でも商品価値が出てきます。土地の地味、日当たりに影響されますが、直径は12~13cm程度になるからです。このようにして、40年~50年、更には70年程度かけて主伐ということになります。

 

 

70年もの期間を丹誠込めて育てた木は、本来は高級建材として珍重されるべきですが、現状では、原木市場で買いたたかれているようで、それが残念です。100本~200本レベルの木を育成させるならそれほど大変でもないかもしれませんが、何千本、何万本という単位になると相当気の遠くなる話です。そしてしっかり手をかけてもあまり報われないのなら、間伐を行う熱意も失せるのかもしれません。何とも気まずい思いがします。