間伐はなぜ必要か?



木材の商品価値

 

 

なぜ間伐が必要なのか?について、もう少し詳しく説明していきます。対象は人工林です。人工林においては、一定の面積内に非常に多くの本数の苗木を植えます。これを数年ごとに間伐をくり返すことで、木の成長に併せてその都度適正な木の本数を保つように調整していきます。

 

 

問題は前述の通り、その間伐が頻繁にできなくなっている現実です。林業のことをあまり知らない人が実際には多いわけで、そうすると頭に浮かんでくる疑問があると思います。それは、どうしてそもそも多くの苗木を植えるのか?そのために本来は不要な間伐しなくてはならないのではないか。最初から30年後、50年後の適正な本数だけ苗木を植えるのではダメなのか。こういう疑問だと思います。

 

 

しかし、そんな簡単な解決策があるのならば、当然とっくに実行しているはずです。このポイントは、杉、檜、松など針葉樹は密集して植えることでまっすぐに育つという特性です。木材として高い価値を得るためには、まっすぐな木材であることが望ましいのです。まばらに植えた苗木(杉や檜)は、下の方が太くて先端に行くほど細くなります。本来の木としての健全な成長ではあるのですが、木材としての商品価値はこれでは下がってしまうのです。

 

 

最初から間隔をつくって植林すれば間伐する必要はないのですが、木がまっすぐに育たないので、商品価値はなくなります。つまり林業としては成り立たないのです。